【決算前パニックから卒業!】なぜあなたの会社は毎年バタつくのか?原因は日々の”3つの放置”にあった
- 2025.05.28

深夜のオフィス、鳴り響くキーボードの音、そして山積みのレシート…この光景、今年で最後にしませんか?
今年もまた、あの季節がやってきました。「決算」です。
会社の1年間の集大成であるはずのこのイベントが、多くの企業で「年に一度の苦行」「できれば避けたい悪夢」になっているのは、一体なぜなのでしょうか。
「うちの会社は小さいから仕方ない」「経理担当が自分しかいないから…」
そんな風に諦めてしまう前に、一度だけ立ち止まって考えてみてください。決算が大変になるのは、決してあなたの能力や努力が足りないからではありません。その根本原因は、日々の業務に潜む**「3つの放置」**にあるのです。
この記事は、ありきたりの「やるべきことリスト」ではありません。決算地獄の根本原因を解き明かし、それを解消するための具体的な新習慣をご提案します。この記事を読み終える頃には、来年の決算が楽しみにさえなっているかもしれません。
あなたの会社を蝕む「決算病」の正体とは? 恐怖の”3つの放置”
決算が大変になる構造は、驚くほどシンプルです。日々の小さな問題点を、気づかぬうちに放置してしまっている。ただそれだけなのです。あなたの会社は、どの「放置」に当てはまりますか?
放置1:「後でやろう」の放置(証憑・入力の雪だるま化)
「このレシート、後でまとめて処理しよう」「請求書は月末に一気に入力すればいいか」 この、一見すると効率的な「まとめ作業」。これこそが、決算を地獄に変える最大の原因です。
- 何が起きるか?: 記憶は時間と共に薄れます。「この会議の交通費、誰とどこへ行ったんだっけ?」と思い出す作業は、その場で処理する3倍以上の時間と精神力を消耗します。領収書や請求書はどんどん溜まり、気づいた時には巨大な雪だるまとなってあなたに襲いかかってくるのです。
- 決算への影響: 勘定科目の間違いや入力漏れが多発。決算時に大量の修正作業が発生し、「探す」「思い出す」「直す」という不毛な時間に追われます。
放置2:「ちょっとしたズレ」の放置(現金・預金・売掛金の不一致)
「あれ、現金出納帳と実際の現金が1,000円合わない…まあいいか」「売掛金の入金、1件遅れているけど、そのうち入るだろう」 この「ちょっとしたズレ」の放置は、静かに会社の体力を奪う毒となります。
- 何が起きるか?: 小さなズレは、積もり積もって大きな不一致となり、原因究明が非常に困難になります。不正の温床になったり、資金繰りの悪化に気づくのが遅れたりするリスクも孕んでいます。
- 決算への影響: 決算の最終段階で残高が合わないことが発覚し、1年分の取引を遡ってチェックする羽目に。これが、決算が徹夜作業になりがちな最大の理由の一つです。
放置3:「昔ながらの仕組み」の放置(Excelとハンコの限界)
「うちはずっとExcelで管理してるから」「やっぱりハンコがないと締まらない」 慣れ親しんだ方法は安心感がありますが、その裏では業務がどんどん属人化し、非効率の沼に沈んでいっています。
- 何が起きるか?: そのExcelの管理表は、作った本人にしか分からない「秘伝のタレ」になっていませんか? 担当者が休んだり退職したりした途端、業務は完全にストップ。これでは、会社ではなく「個人商店」です。
- 決算への影響: 決算作業が特定の個人のスキルに依存するため、誰も手伝うことができません。社長が経営状況を知りたくても、担当者が集計を終えるまで何日も待たされる、といった事態を引き起こします。
【治療編】決算を「イベント」から「日常」に変える3つの新習慣
もうお分かりでしょう。決算を楽にする鍵は、決算月にあるのではありません。日々の業務をどう変えるかにかかっています。今日から始められる3つの新習慣を取り入れて、決算パニックのサイクルから抜け出しましょう。
習慣1:【脱・雪だるま】取引は「1日の終わり」に締める
「後で」を今日でやめましょう。記憶が新しいうちに処理するのが、最も効率的です。
- 具体的なアクション:
- スマホアプリを活用する: クラウド会計ソフトのスマホアプリを使えば、移動中や休憩中などのスキマ時間に、領収書を撮影して経費申請ができます。
- 1日の終わりに5分だけ時間を作る: PCをシャットダウンする前に、その日の取引を会計ソフトに入力する。たった5分の習慣が、月末の5時間を生み出します。
習慣2:【脱・不一致】毎月「ミニ決算」を行う
決算を年に一度の「健康診断」ではなく、毎月の「体重測定」に変えましょう。ズレは小さいうちに見つけて対処するのが鉄則です。
- 具体的なアクション:
- 月末に必ず残高チェック: 「現金」「預金」「売掛金」「買掛金」の残高が、帳簿と合っているか必ず確認します。
- 月次試算表を作成する: 会計ソフトを使えばボタン一つで作成できます。毎月、会社の成績表を確認し、異常がないかチェックする文化を作りましょう。
習慣3:【脱・属人化】「一人で抱えない」仕組みを作る
あなたは一人ではありません。ツールや専門家を賢く活用し、「誰でもできる」仕組みを作りましょう。
- 具体的なアクション:
- クラウド会計ソフトを導入する: データが一元管理され、社長や税理士ともリアルタイムで情報共有が可能になります。あなたが不在でも、他の人が状況を把握できます。
- 専門家(税理士など)をパートナーにする: 決算だけを丸投げするのではなく、日々の記帳チェックや月次レビューから関わってもらいましょう。プロの視点で、業務改善のアドバイスや節税対策も期待できます。
まとめ:決算は、苦しむためのものではなく、次へ進むためのもの
決算とは、会社の1年間の努力を数字で物語る、いわば「成長の記録」です。そして、その記録をもとに、次の1年をどう戦うか、未来の作戦を立てるための重要な会議でもあります。
そんな大切な機会を、疲弊とストレスの中で迎えるのは、あまりにもったいないことです。
日々の「放置」をやめ、新しい習慣を少しずつ取り入れてみてください。そうすれば、来年の今頃、あなたはきっと自信に満ちた表情で決算書を眺めているはずです。苦しみながら作る「過去の報告書」ではなく、未来への羅針盤となる「戦略の書」として。
その第一歩を、今日から踏み出してみませんか?